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対局開始の準備

先手番(楚)、後手番(漢)を決める

チャンギでは、「楚」が先手番、「漢」が後手番です。

一般に、年長者または棋力の上の人が「漢」を持ち、年少者または棋力の下の人が「楚」を持ちます。

これは、礼儀と棋力とを考慮した一般対局での決め方ですが、なかなか判断が難しい時には「兵」と「卒」による「握り」で先後を決めます。

「握り」で先後を決める場合は、まず、片方の人が「兵」と「卒」を、相手に見えないようにそれぞれの手の中に1つずつ取って握ります。もう一方の人は、そのどちらかの握られた手を選択し、中に「兵」があった場合は「漢」を持ち後手番、「卒」があった場合は「楚」を持ち先手番となります。

プロ棋士同士のテレビ対局などでは、対局者が、中に「漢」と「楚」が入っている2つの袋からどちらかを選び、その袋を両者が開けて「漢」「楚」を決めるやり方も目にします。

女性プロ棋士同士による対局

初期配置のルール

先(楚)・後(漢)が決まったら、それぞれ盤に駒を並べ始めますが、チャンギでは「馬」と「象」の対局開始前の位置を選択して決めます。「馬」と「象」以外の駒は、すべて最初から位置が決まっています。

 

下の図が、馬と象以外の駒の初期配置になります。

「馬」と「象」以外の駒の初期配置

漢は12と13、17と18の位置に、馬と象をそれぞれ配置します。

楚は02と03、07と08の位置に、馬と象をそれぞれ配置します。

隣り合う駒が、「馬」同士や「象」同士になってはいけません。

ということで、楚側の、馬と象の配置パターンは以下の4通りになります。

右象配置

左象配置

内象配置

外象配置

参考として、

主に北朝鮮では機動車配置も採用されています。韓国では採用されていません。

機動車配置

アマ・プロを問わず、選択される配置を見ますと、右象配置と左象配置のどちらかを選ぶ割合が全体の70%前後になります。

次に多いのが、内象配置で20%前後。一番少ないのが外象配置で10%前後くらいになります。

駒を並べる順序

まず、漢が馬・象の初期位置選択を含め、すべての駒を並べ終えます。
次に、楚が駒を並べ終え、対局開始前の全駒配置位置は決定となります。
以降は途中で駒の配置を変えることはできません。

 

配置を決定したら対局開始となり、楚が初手を指します。

後手が先に配置を決めてから先手が配置を決めて初手を指すのは、先手が2手指すようで不公平にも見えますが、チャンギの場合は後手が後に決めるとお互いに攻め手を欠いた消耗戦になりやすいため、このルールはチャンギを面白くするのに重要なルールです。

初期配置の完成形

漢が馬と象の初期配置を終え、楚も馬と象の初期配置を終えると対局開始前のすべての駒の位置が決まります。

 

下の図は、漢・楚とも左象配置にした例です。

漢:左象配置 → 楚:左象配置

お互いの馬と象の初期配置の選択による組み合わせは漢4通り×楚4通りの16通りあります。

そのうち左右対称なものを除くと10通りです。

アマ・プロを問わず実際の対局を見てみますと、後手番の漢が外象配置にする割合は不利と言われ、少ないです。

個人の棋風や、楚の場合は漢の配置によって戦いやすい配置を選択します。

漢:右象配置 → 楚:外象配置

漢:内象配置 → 楚:内象配置

漢:外象配置 → 楚:右象配置

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